ゴールドマンサックスのCEO「ビットコインは安全資産としての地位を確立する」

ゴールドマンサックスCEOが「ビットコイン市場への参入を検討している」と発言

ゴールドマンサックスのアナリストであるザック・パンデル氏は、先日発表した顧客向けのレポートの中で、「最近の急増するビットコイン需要は、現行の規制が多い金融システムやインフラに対する不満が主な原因ではないか」と綴った。

「長期的な視点で見れば、仮想通貨がこれから成熟して一般的な通貨レベルのものになっていくにつれて、投資でのリターンは小さくなるが、その分金や他の安全資産並みに安定したものになっていくだろう」

と書き出しており、また

「我々が特に主張したいのは、仮想通貨は現在の高リターンから転じて、これからより低リターンのものになっていくであろうという事だ。ほぼリターンゼロの、金やその他の安全資産と同類のものと考えるべきだ。」

とまとめている。

しかしながら、バンドル氏はまた、ビットコインの急激な値上がりや仮想通貨市場の指数関数的な成長を見て、イーサリアム創業者のヴィタリック・ブテリン氏や共同創業者のチャールズ・ホスキンソン氏と共に、欠点をいくつか指摘している。

以下は、昨年12月の時点でのブテリン氏のコメントだ。

「仮想通貨は本来的な使用目的とは少しかけ離れたところで使用され、ここまでの需要となった。その証拠に、本来ターゲットとしている貧困層の人々の口座開設数は思うように伸びていないし、システム側の不備もまだまだ改善の余地がある。質はともかくとして、0.5兆ドル(約55兆円)という数字に見合うボリュームがあるようには到底思えない。」

と強く主張している。

たしかにビットコインやイーサリアムのようないくつかの仮想通貨の市場価値は、ユーザーベースやユーザーアクィビティの面で認めれてきている。一方で、その他の仮想通貨の市場価値には疑問符が残ったままなのも事実だ。

その点で言えば、バンドル氏が「投機バブルの再来」と批判する現在の仮想通貨市場についても、彼の説明は合点がいくのではないか。

ビットコインの可能性

しかしゴールドマンサックス社CEOのロイド・ブランクフェイン氏はCNBCのインタビューで、

「もしビットコインが法定通貨や従来のお金の形から電子的な形へと進化を遂げているのだとすれば、ビットコインをはじめとする仮想通貨市場を正当に評価するのは非常に簡単だ」

と述べている。加えて彼は、

「まず初めに、金の基準をなくしたり、急に法定通貨のシステムを導入する事は、人々や経済社会からまず認められないだろう。時間とともに、世界経済が法定通貨のシステムにあわせながら仮想通貨を使用していく事になるかのではないか。」

という見解を示しており、まとめとして、

「ビットコインは金からドルへと変遷を遂げたように、現在の法定通貨から電子通貨への自然な進化を遂げていく可能性はある。しかし私は法定通貨でないものは信じないし、ハッキリ言って仮想通貨は好きではない。仮に進化を遂げたとしても、それは自然の成り行きにすぎないと思う。」

と締めくくった。

原典:「https://www.ccn.com/bitcoin-new-gold-better-safe-haven-asset-goldman-sachs/」

ここまでの内容と考察

年末年始で仮想通貨の価格は大きく上昇しましたが、ここにきて停滞感があることは否めません。

2017年5月のアルトコインバブルも1ヶ月と持たずはじけてしまったことから、怖さを感じ手じまいしてしまった投資家も多いのではないでしょうか。

そんな仮想通貨市場に対して、冷静な目で分析しているのがゴールドマンサックスです。

ビットコインは今のところ投機的な市場となっており、貧困層への仮想通貨の普及やシステム面での進化が今後求められるというのです。

現在は、ビットコインをはじめとした仮想通貨が「期待感」から上昇をしていますが、2018年に入り実際の需要がない仮想通貨は淘汰されていくのではないでしょうか。

きちんとホワイトペーパーなどの情報を分析して投資している投資家だけが生き残る時代に突入していくことは間違いないでしょう。