コインチェックが金融庁の認可を得られなかった問題の仮想通貨とは?

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連日ニュースが絶えないコインチェックの事件。

金融庁からの業務改善命令やホワイトハッカーの出現、そして被害を受けた顧客への返金など、コインチェック側もしばらくはバタバタが続くだろう。

そんなコインチェックは、仮想通貨取引業者としての認可(ライセンス)を金融庁から取得できていない。

昨年2017年9月に金融庁は、許可が下りていない取引所は仮想通貨取引業者として認めないという発表をし、29日にはビットフライヤー(東京・港区)やZaifのテックビューロ(大阪市)をはじめ、多くの国内取引所への認可が下りていた。

そんな中、国内でも1位、2位のシェアを持つコインチェックは金融庁からの認可が下りなかった。

それはコインチェックが扱っている匿名性の高い仮想通貨が原因だという。

匿名性が高い仮想通貨というのは、送金側と受取側間の取引を匿名で行えるというもので、取引時に複数の秘密鍵が必要であったり、データをシャッフルできる通貨もある。

コインチェックが扱っているのは、

・Monero(モネロ)
・ZCash(ジーキャッシュ)
・DASH(ダッシュ)

の3つの仮想通貨。これらはいずれも匿名性が高く、このようなコインはマネーロンダリング(資金洗浄)や税金対策に使われる可能性があるというのだ。

この3つのうち、特に金融庁が嫌がっているのが「Monero(モネロ)」だという。

金融庁が認められないMonero(モネロ)の事情

実はモネロは北朝鮮との関係性が強く、アメリカの調査でモネロをマイニングするマルウェアが発見され、そのマルウェアの送信先が北朝鮮の大学のサーバーだったという。

匿名性が特に高いモネロは元々ダークマーケット(闇市場)でも利用されており、マネーロンダリングや脱税を誘発するとして金融庁が嫌がっているのだ。

最近ではフランスとドイツが3月に予定されている中央銀行総裁会議で仮想通貨とマネーロンダリングに関して草案を発表するという。

これに対して財務省の浅川雅嗣財務官は、

「仮想通貨に関しては日本もしっかり対応していかなければならない」

と述べており、今後のセキュリティや監視体制の強化に力を入れていく方針だという。

一方コインチェック側は、モネロの扱いを今すぐに辞められる状況ではないという。

というのも、モネロの取り扱いを急にやめた場合、おそらく一時的に価格は下落するだろう。そうなると顧客も被害を受けるし批判も多くなるというのがコインチェック側の意見だ。

しかもモネロは現在時価総額13位。2016年末と比較すると約20倍以上に価格が上昇している仮想通貨で、今後もニーズは尽きないだろう。

国内の取引所を利用しながらも、海外のように多くの仮想通貨に投資できる取引所を理想としているコインチェックは、この理想が逆に首を絞める結果になっているといえる。

金融庁の認可が下りていない今、コインチェックは「みなし業者」でしかない。コインチェックが金融庁の認可を受けるには、最低でもモネロの取り扱いをやめるしかないのだろうか?

ここまでの内容と考察

26日の一件で、様々なことが露呈されはじめたコインチェック。

13種類も扱っているコインチェックですが、まさかその種類の多さによって認可が下りないなんてことは、夢に思わなかったかと思います。

特にコインチェックは今回話題となったモネロ以外にも、ZCashやDASHといった匿名コインを扱っています。仮想通貨取引業者として事業を続けていくためには、これらをどう対処していくのかがカギとなりますね。

ちなみに今回のコインチェック事件をうけて、ビットフライヤーは「bitFlyerセキュリティ・ファースト」を発表しました。

bitFlyerセキュリティ・ファースト

抜粋:「bitFlyerセキュリティ・ファースト

これはビットフライヤーが行っていくセキュリティの詳細や万が一同じようなことがあった場合の資金調達方法などが記載されています。

金融庁も今後国内のすべての取引所に対して立ち入り検査を行うと発表しているので、こうしたセキュリティに関する発表やリスクについての発表は重要になってきますね。