ビットコインの「デフレ通貨」という特徴が、価格上昇を促進

仮想通貨に関するベンチャーキャピタルの責任者であり、仮想通貨投資の第一人者であるChris Burniske(クリス・バーニスケ氏)は、

「ビットコインは総供給量の約80%が市場に流通しており、ハイパーインフレになっていてもおかしくない。しかし現状はデフレであり、非常に興味深い。」

と語っている。

bitcoinは、供給量が制限されているため、デフレ通貨(通貨の価値が高まり、物価が下落する通貨)であると言われている。

総供給量は、2100万ビットコインに制限されており、現行のシステム上それ以上発行されることはない。

そんな中、ビットコインが使用できる環境が整ってきたとはいえ、まだまだ普及しているとは言えない現在の状況で、2100万ビットコインの80%というビットコインがすでに供給されている。

過剰供給と言っても過言ではなく、ビットコインの価値が下落しておかしくない状況で、ビットコインの価値は上昇を続けている。これは、驚くべきことである。

デフレ通貨であることのデメリット

デフレ通貨であることは、ビットコインの価値の上昇を促す一方で、ビットコインの普及に悪影響を与えるという主張もある。

そのような中、テキサスで開催されたビットコインカンファレンスにおいて、仮想通貨のエコノミストであるRobert Murphy(ロバート・マーフィー氏)が、持論を述べた。

「デフレが原因で景気が悪化するのではない。まったく真逆で、景気が悪くなるからデフレになるのである。つまり、デフレ通貨であるビットコインが普及した際に景気を悪化させることはない。

これは、歴史的な大不況を分析すれば分かる。景気が悪いとき人々はどうする?景気が悪く企業の経営が悪化しているときに、企業に対して投資したくないはずだ。加えて、流動性を保ちたいはずである。すると、必然的に通貨に対する需要が高まり、デフレが発生する。

つまり、デフレ通貨であるビットコインが景気を悪化させるのではなく、景気悪化がデフレを引き起こすのである。」

と述べている。

今の勢いが維持されればビットコインの価格は10万ドルまで上昇する

仮想通貨投資家であるMax Keizer(マックス・カイザー氏)やハーバード大学のDennis Porto(デニス・ポート氏)、Saxo Bank社のKay Van-Ptersen(カイ バン-ピーターソン氏)を含む複数のアナリストは、今後10年間で、ビットコインの価格が10万ドル(約1,100万円)を超えるという強い根拠を示している。

ここまで仮想通貨に投資してきた人々は、安全資産や長期投資先としてビットコインを考えている。

しかし、今後ビットコインは堅牢な金融ネットワークに組み込まれ、すぐに実際の通貨、既存の銀行システム、金などの伝統資産と競合することになるだろう。

ビットコインが供給量を制限されていることやデフレ通貨であることは、ビットコインの価格上昇の勢いや、需要を維持する上で非常に大きな強みになる。

原典:「Will the Disinflation of bitcoin Lead to Long-Term Price Surge?

ここまでの内容と考察

供給量が制限されているビットコインは、需要が大きくなれば大きくなるだけ価値が上昇します。

この特徴に加えて、「非中央集権」であることが、ビットコインの価値を高めている要因だと思います。

新たに紙幣が発行される法定通貨や新たに採掘されることがある金とは異なり、供給量が変更されないため、理論上需要の増加と正比例して価値が上昇していくことになります。

例えば、ビットコインの時価総額が、現在の約10兆円から100兆円に上昇したとすると、発行枚数が一定であるため、単純に価値が10倍になります。

現在の日本銀行券の発行量が100兆円であるため、日本円がすべてビットコインに置き換わっただけでも、価値は10倍以上になります。

これは一例ですが、長期的にみれば、ビットコインの価値は数十倍になるだろうと思っています。