イオンとIBMジャパンがブロックチェーンを利用した決済システムを開拓する

イオンとIBMジャパンがブロックチェーンを利用した決済システムを開拓する

ブロックチェーンがアジアの成長を担う?

日本の大型小売店「AEON(イオン)」と「IBMジャパン」がブロックチェーンを利用した財政サービスと消費者・企業向けの決済プラットフォームを作っています。

日本最大の小売店イオンは、日本をはじめとしたアジアの11か国に対して銀行業やクレジットカード、小規模融資サービスも始めようとしており、現在アジア圏内のサービスを十分に受けられない国々をより良い環境にするために、IBMジャパンと提携を組んで「ブロックチェーン基盤の財政システム」の構築を進めています。

このブロックチェーンシステムは仮想通貨を用いた個人と企業間の支払いを容易にし、さらにこのプラットフォームはロイヤリティーポイントの獲得や効果的な取引データ管理を可能にしています。

イオンの財務管理マネージャーの万月雅明(まんげつまさあき)氏は、グローバルな経営戦略として

「イオン・フィナンシャル・サービスはブロックチェーンを利用して、仮想通貨決済やロイヤリティーポイントの交換制度、日本だけでなくアジア全体の利用客に対する補償制度といった様々なサービスを導入させている。」

と述べています。また

「我々はこのサービスプラットフォームにブロックチェーンを利用できると見越しています。そしてそれを使うことによって、アジア圏内のサービスを十分に受けられない人々に対する新しいサービスの構築や既にあるサービスの質の向上を図ることが出来るだろう。」

とも述べています。

このブロックチェーンを利用したプラットフォームの初回導入は、7月に実験的導入されると言われており、将来的に「The Linux Foundation」が管理するブロックチェーンのオープンソースフレームワーク「Hyperledger Fabric(ハイパーレッジャーファブリック)」を基盤にするとされており、IBMジャパンはイオンが構築するブロックチェーンプラットフォームの発展や実装を技術面でサポートしていく体制をとっています。

IBMジャパンの箕輪義明(みのわよしあき)氏は

「革命的な技術であるブロックチェーンは、エコシステムパートナーズとのビジネスを進化させる可能性を秘めている。この技術はビジネスプロセスの合理化をしていく上で、結果に対する責任と透明性を高めていくだろう。」

と述べています。

IBM Japanは、資本市場のブロックチェーンプラットフォームを開発する際に、アジア最大の証券取引所である日本証券取引所グループを促進し、ブロックチェーンの専門家としての地位を示しました。 さらに4月の初めに、IBMジャパンが日本の大手銀行「みずほ銀行」とのブロックチェーン貿易金融プラットフォームの開発に進出したことを明らかにしています。

原典:「IBM, AEON to Build a Digital Currency-Friendly Blockchain Payments Rail for Asia

まとめと考察

ブロックチェーンを利用してアジア経済の成長に貢献している日本大手のイオンがIBMジャパンと連携しているというニュースでした。

このままこのプロジェクトが進めばアジア経済はより成長していくだろうと予想できますね。
しかし十分な金融サービスが受けられない「unbanked(アンバンクド)」と呼ばれる人々に、ブロックチェーンを使ってどうアプローチしていくのかが大きな課題となっていきそうです。